• テキストサイズ

誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第88章 #88 キャッチボール



数日後、リリアとリヴァイは子供達にお菓子や玩具を配布するボランティアに参加した。
そこには勿論アルミンやジャン、コニーもいる。
リヴァイの車椅子を押し、皆が集まっている場所に近付くと二人に気付いた仲間達が手を振った。

「リリアさん!兵長!!こっちです!」
「おはよう!今日はよろしくね」

「リリアさーん!!」


名を呼ばれ振り向くとガビが走り込み、リリアに抱き付いた。
そんなガビを見て後ろにいたファルコが慌てる。


「ガビ!!そんな勢いよく抱き付いたらダメだって!!」
「あはは!大丈夫だよ、ファルコ」

ガビは大きなリリアのお腹に頬を擦り寄せた。

「もうちょっとだね!楽しみー!!早く会いたいよ、エルヴィン!」

リリアはニコッと笑いガビの頭を撫でた。
視線を上げると少し離れた場所にアニやライナー、ピークの姿も見える。
皆が来てくれていたのだ。

するとお菓子がたくさん入った大きな箱を持ち、アルミンが皆に声を掛けた。


「それじゃあそれぞれ分かれて配布しましょう!」




集まってきていた子供達にお菓子や玩具を渡す。
緊張した面持ちだった子供もそれを受け取ると笑顔が見える。
つらい気持ちも今この時だけはどうか無くなって欲しい。
どんどんと無くなっていくお菓子や玩具を補給するためイェレナも動いていた。
ふと箱の中に入っていたボールとグローブに目が行き手が止まる。

ボールとグローブといえばジークを思い出すのだろうか。
その目には涙がじんわりと溜まってきている。
それを見ていたリリアは箱からボールとグローブを取り出すと距離を開けてイェレナに声を掛けた。

/ 1007ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp