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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第88章 #88 キャッチボール



「どうしたの?」
「いや、イェレナの奴は結構執着するタイプだろ、お前に近い」
「そうだね」
「ジークの野郎の野望が叶わなくなった、そしてジーク本人は死んだ。喪失感がどれだけのものだったかお前なら分かるんじゃねぇか?」


何故ならリリアも同じだったからだ。
誰よりもエルヴィンを慕い、彼の夢を叶えるために行動してきた。
そしてエルヴィンが死に、当時のリリアは相当なショックを受け傷付いた。
リヴァイの努力のおかげで今はもう大丈夫だが、イェレナは一人でここまで来るのにどれだけ頑張っただろうか。


「そうだね。生き残った命、大事に生きて欲しいし出来る事はやってあげたい」
「あぁ。しかしアレだな」
「ん?」
「最もジークを嫌っていたリリアと、ジークを殺した俺を頼りにしてきたのは……少々皮肉だな」


リヴァイはジッとリリアを見つめた。
これはある意味のイェレナの自分達に対する復讐なのか、それとも純粋にリリアの優しさに頼りたかったのか。


「まぁ、グダグダ考えても仕方ねぇな。有り難く受け取る」
「うんうん!!」


その後リヴァイの心配は払拭される事となる。
イェレナは不器用ながらも二人に尽くし家族と同等の存在となるが、それはまた別の話だ。

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