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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第88章 #88 キャッチボール



そんな二人の住まいのドアの前に佇む一人の人物、イェレナが呼び鈴を押せずに頭を下げて悩んでいた。
前回二人と再開してからの訪問となるが、やはり足を運ぶ事が申し訳なく思っていた。


(どうする……やはり帰るか…)

「あれ?イェレナ?」


名を呼ばれ肩を上げたイェレナは恐る恐る後ろを振り向いた。
そこに立っていたのはオニャンコポンだった。


「なんだ!生きてたのか!!良かった!こんな所でどうした?呼び鈴押さないのか?」
「シィィィ!!待ってください!!押さないで!!」

イェレナは慌ててオニャンコポンの腕を引き、その場から離れた。

「何だよ。リリアさんとリヴァイ兵長に用があったんじゃないのか?」
「……用というか…」

イェレナはすでに二人と再会した事をオニャンコポンに話した。
二人の言葉に救われた事、今後は二人のために何かをしたい事を口にした。


「それを素直に二人に伝えればいいじゃないか」
「つ、伝えれるものなら言ってます!しかしまだ私は……」
「喜ぶと思うぞ?」

唇を噛んで下を向くイェレナにオニャンコポンは大きく息を吐くと腕を掴んで再びリリアとリヴァイの家に連れて行った。

「ちょ…ちょっと!!」
「リリアさーん!リヴァイ兵長ー!!おはようございます!!」


名を呼ばれどうしたのかとリリアが顔を出した。


「あれ?オニャンコポン……と、イェレナ!いらっしゃい!!どうぞー!!まだご飯食べてるけど」

部屋に入るとリヴァイが二人に手を挙げる。

「よぉ」
「ご飯中にすみません。今日はお二人にお話があって」


リリアに勧められ、オニャンコポンはリヴァイの対面に座った。
イェレナは黙ったまま立っていたがリリアに手を引かれオニャンコポンの隣に座らされた。

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