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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第88章 #88 キャッチボール



「オイ、リリア。俺の腹を小突くな。何だ、不服か」
「ち、ちが…私じゃなくて……ほら…」

身体を離しリヴァイに下を見るように促したリリア、見ると大きくなったリリアのお腹がポコッポコッと動いている。

「エルヴィンが……今日凄く元気で…。蹴ってる」
「オイオイオイ……エルヴィン、お前は生まれる前から俺とリリアのイチャつき時間を阻止しようってのか」
「いや、偶然でしょ」
「テメェは生まれたら暫くリリアを独占する。今くらいは俺に譲れ」


自分のお腹に向かって喋りかけるリヴァイにリリアは可笑しくて仕方ない。
あれだけ『エルヴィン』という名を嫌がっていたのに、戦いが終わってからは諦めたのか認めたのか普通に子供をエルヴィンと呼んでいる。


「リヴァイ、ご飯にしよ!」
「あぁ。そうだな」

先にベッドから降りたリヴァイはリリアに向かって手を伸ばす。
リヴァイは杖を着けばゆっくりだが歩けるまでに回復していた。
移動する際は流石に車椅子を使うが、立つ事は出来るようになっており、リリアの手助けを少しずつするようになった。
リリア本人は大丈夫だと言うのだが、リヴァイ的にはしたいようだ。


「今日も1日楽しく過ごしましょう!」
「あぁ」

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