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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第88章 #88 キャッチボール



目が覚めるとまだ外は暗かった。
隣からはスゥスゥという寝息が聞こえ、リヴァイは顔を横に向けた。
隣で眠っているのはリリア、足を怪我して以降ベッドに横になって眠るようになったリヴァイは、毎日リリアと同じベッドで長時間きちんと寝るようになった。


(変わるもんだな…)


リヴァイは眠っているリリアの髪の毛をすくった。
彼女の髪の毛は兄であるエルヴィンが死んでから色が抜けてしまい金髪から銀髪へと変わってしまった。

何年経過してもその髪の色は戻らず、リヴァイはもしかしたら自分自身に何か精神的な不安を与えるような事があるのではと考えたこともあった。
その髪が最近、金色に戻りつつある。


(この調子ならもう数ヶ月で完全に戻りそうだな)


優しく頭を撫でるとリリアがゆっくり目を開けた。


「リヴァイ……おはよう」
「おはよう。まだ寝てていいぞ」
「んんん……」


目を擦りながらリヴァイに近付き抱きついてきた。


「うぅう〜……リヴァイぃ、イチャイチャする」
「起きてすぐイチャイチャすんのか。俺は構わねぇが」


頬をすり寄せてくるリリアを抱きしめ髪の毛や額に優しくキスを落とす。
するとリヴァイは自分の腹部がドンドンと叩かれている事に気付いた。
嫌になったリリアが小突いているのだろうか。

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