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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第87章 #87 私は生きる



「ただいまー!」
「おぉ…」

家に帰るとリヴァイが出迎えてくれたが、イェレナが持っている食材の多さに目を丸くした。

「……これはまた…悪いな…」
「いえ、大丈夫です。私はこの辺で失礼します」
「え?帰るの?泊まっていきなよ」

慌ててイェレナが首を振る。

「とんでもない!泊まる所は決めてますから!」
「えー、お金もったいない。泊まりなよ」
「リリア、無理強いするな。イェレナが困るだろうが」

ちぇ、とリリアが口を尖らせる。
するとイェレナがリヴァイの方を見た。

「今までリヴァイ兵長が何故リリアさんを選んだのかがどうしても分からなかったのですが…」
「えぇ?!」
「今日…ようやく分かった気がします…この人は…温かい」


少し視線を落とし、今まで見た事のないような柔らかな笑顔を見せたイェレナ。
そんな彼女を見てリリアは今ならいけると、目をキラキラさせてイェレナを覗き込んだ。

「じゃあさ、じゃあさ!イェレナ!!やっと私達ここで友達に……」
「なりません、失礼します」
「ガァァァン!またフラれた……」

深く頭を下げるとイェレナは二人を見ないまま背を向け歩き出そうとした。
しかしリヴァイが声を掛け止める。

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