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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第87章 #87 私は生きる



まだ簡易的なテントが並ぶ市場、リリアはキョロキョロしながら食材を探す。
その少し後ろをイェレナが一定の距離を開け付いて来ていた。

「イェレナ、イェレナ!これ見て!」
「は、はい?」
「これ、じゃがいもと違うんだけどお芋だって!えっと……さつ…さつ…」
「サツマイモです。焼いたり蒸したりしてそのまま食べても美味しいですし、あとは…そうですね、あなたの好きなスイーツの材料にもなりますよ」
「えっ?!スイーツ!」

目をキラキラとさせサツマイモを見つめる姿にイェレナはプッと笑った。

「……失礼しました」
「へへ、笑った。私が甘い物好きなの知ってたんだね」
「そ、それはたまたまニコロに聞いていただけで…!」

ニコッと笑うとリリアはそのサツマイモを2本買った。
その後も買い物は続き、いつの間にやら荷物を持っていたイェレナの両手も塞がってしまっていた。


「容赦なく買いますね…」
「ごめんね、リヴァイが来れない分誰かがいる時はついたくさん買っちゃって…よくガビとファルコにも怒られてる!」

少し休もう、とリリアとイェレナは市場から少し離れた所にある大きな木の下に座った。
地鳴らしに巻き込まれなかった数少ない木だ。

いつの間に買ったのか飲み物を取り出しイェレナに渡す。


「あ、ありがとう…ございます」
「少しは気分転換になったかな?」
「……気を使わせてしまいましたね」

「最初に私達に会いにきてくれてありがとう」

えっ、とイェレナはリリアを見た。

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