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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第87章 #87 私は生きる



「腕の骨は大丈夫か?」
「え?あ、はい。マガト元帥は綺麗に骨を折っていたので…上手くくっつきました」

そうか、とリヴァイが返す。

「リヴァイ兵長は……足が…」
「あれから巨人の歯に挟まれてな。左足は今んとこ使い物にならねぇ」
「そう…ですか……あれからキヨミさんに地鳴らしが止まった事と皆さんが無事な事を聞きました。今更…何の用だと思われたでしょうね。私があなた方に会いに行く資格なんてないのに…」

するとリリアが紅茶をトレーに3つ乗せ戻ってきた。
どうぞ、と差し出された紅茶はとても良い香りがし、イェレナはジッとその揺らめく紅茶を見つめた。
リヴァイは紅茶を口に含むと暫く間を開け口を開いた。

「別に思ってねぇよ」
「うんうん、私達はイェレナに会えて嬉しいよ?」

イェレナはリヴァイとリリアを見つめると、少し目を潤ませパッと下を向いた。

「私…私は……ズルい……本当は誰かに会いたくて……でもきっと誰も私とは会ってはくれない………だけど…心のどこかであなた達なら……もしかしたら…会ってくれるんじゃないかと」

リヴァイとリリアが顔を見合わせる。
するとリリアがあっ、と声を上げた。

「私、買い物に行く途中だったんだ!イェレナ、もし良かったら付き合って?今日はガビとファルコがいないの」
「……え?」
「お願い!!ね、リヴァイいいでしょ?」
「あぁ、イェレナついて行ってやってくれ。俺は歩けねぇんだ」

はい、とイェレナが頷くが突然の展開にまだ頭が付いて来ていないようだ。
表情が固い。
リリアに手を引っ張られ半ば強制的にの買い物に付き合わされた。


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