第10章 #10 死闘の果て
その後、エレンは巨人化し女型の巨人と戦った。
しかしエレンは女型に勝てる事は出来なかった。
そのまま女型に拐われてしまったが、エレンの叫びを聞きつけ追いついたリヴァイとミカサがエレンを何とか救出、女型を捕獲する事なく巨大樹の森から撤退する事となった。
「リヴァイ兵長、班員の全員死亡で間違いはありませんか」
「あぁ」
リヴァイはリヴァイ班の皆が殺された場所へ戻り、全員の死亡の確認を済ませた。
遺体は兵士達が回収していく。
しかしリリアの姿だけが見当たらない。
近くで戦っていたのは確かなのだが、どこまで飛ばされたのか、もしくは巨人に喰われてしまったのか。
一旦は森を出たハンジとミケもリリアの救助の為に森へと戻ってきていた。
木々をかき分け必死にリリアを探す。
「リリア、リリア!どこにいるの?!返事をしてくれよ!!」
泣きそうな声でハンジがリリアの名を呼ぶ。
ミケも鼻を効かすが色々な匂いが混じり分からないようだ。
すると枝に引っかかった白い布のような物にリヴァイが目を止めた。
手に取るとそれは血塗れになっているがリリアが身に着けていたスカーフだった。
自分が選び、あげた物だ。間違えるはずがない。
この辺りにいるのだろうか、リヴァイも木の上、木の間、隈無く探すがリリアの姿は見つからない。
「どこだ……リリア。どこにいる」