• テキストサイズ

誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第10章 #10 死闘の果て



「………エレン、一人で行けるね」
「えっ……リリア兵長……?」

リリアはエレンの腕を力一杯掴むと、そのまま行けと、後方へ投げ飛ばした。
そして女型の巨人に向って飛び出す。

「リリア兵長ぉぉぉ!!!」

あの3人が作った女型を倒すチャンスをここで逃すわけにはいかない。
まだ、女型の腕と目は治りきっていないのだ、倒すなら今しかない。

女型の中身を捕獲するよりも、今はエレンを守る方が先決だ。


リリアは刃を抜くと、とてつもないスピードで女型の腱を狙い斬り込んだ。
リリアの立体機動装置の扱いはリヴァイに訓練され、彼に並ぶ程のスピードが出す事が出来る。
片足の腱を斬り、隙を与えずもう片方の足の腱も斬った。
女型は立つ事が出来ず、そのまま地面に倒れ込む。

リリアは女型のうなじに向かって飛び出した。
このまま中身の人間ごと斬ってやる、刃を構え斬ろうとしたその時だった。

女型の少し前方に倒れていたオルオを女型は掴むと、若干治りかけていた腕を少しだけ上げ、リリアが飛び込んでくる方向にオルオの遺体を向けた。

リリアの動きが止まる。
いくら死んでしまったからといっても、大事な仲間の体を斬ることは出来ない。


女型の巨人はリリアが斬れない事を分かっていた。


そしてその一瞬の隙が勝負を決めた。

リリアは、隙をついて膝を着き体勢を戻した女型に蹴り飛ばされてしまった。
何故斬ったはずの足がすでに復活しているのか、リリアは確かにリヴァイと変わらない速度を出し攻撃する事は出来る、出来る様にしているが、速度を上げる分斬り込む威力が極端に落ちる。

そこがリヴァイとの大きな差だ。

腱を斬る際は速度を重視したため、傷が浅く治癒する時間が早かったのだ。




もうエレンを守る者は誰もいない。
エレンは怒りに震え
自分のした選択を


悔いた




/ 1007ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp