• テキストサイズ

誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第86章 #86 誰が為に心臓を捧げる



「リヴァイ?目が覚めたの?」

リリアとピーク、ガビとファルコがテントへ戻ってきた。
元気そうなリリアの姿に固まるリヴァイ、アルミンは視線を逸らしながらベッと舌を出した。

「アルミン……テメェ…やってくれるじゃねぇか」
「別にリリアさんに何かあったなんて言ってませんよ?今ここにはいないって言っただけです」

この野郎とリヴァイはアルミンの頭を軽く叩いたが、アルミンは笑っていた。
するとコニーがピークに話しかける。

「で?リリアさんどんなだったんだ?」
「一応診てもらったけど、この戦いのせいで診断する機材もないから詳しくは分からなかったけど、症状からして妊娠はしてるみたいよ。もう絶対安静ですって。この身体で戦ってたなんてって怒られてたわ」
「だよな……ホント無理させて…」
「しっかり栄養とって、体を休ませる事ね」

リリアはリヴァイの隣に座ると手を握りニッコリ笑った。

「おはよう、リヴァイ。良かった、目が覚めて」
「あぁ…」

「それじゃあリリアさん、リヴァイ兵長、僕達はこれで」

アルミン達が立ち上がり手を上げる。
リヴァイの意識も戻り、もう大丈夫だろう、何より二人の時間をこれからは増やしてあげたい。

「僕達は隣のテントにいますから。何かあったら呼んでください」
「うん、みんなありがとう。ピークちゃんも、ガビもファルコもありがとうね」
「また来るね!リリアさん、リヴァイ兵長!」

一気にテントから人が減り、リリアとリヴァイ二人だけになった。
沈黙が少しあったがリリアから口を開く。

「そうだ!水!!リヴァイ、水飲もう?」
「あぁ」

3日間水も食事も摂らず眠っていたのだ。
さすがに水分を摂らねばまずい。
リリアは急いでコップに飲み水を入れるとリヴァイに手渡した。
やはり喉は乾いていたのだろう、リヴァイは渡された水を一気に飲み干した。

「おかわりいる?」
「いや、もういい」

そして再び二人の間に沈黙が訪れる。
リリアは何やらソワソワと落ち着かず、視線が色んな所を見ている。

/ 1014ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp