第10章 #10 死闘の果て
3人は頷くと速度を落とし、女型の巨人に向かって進み出した。
エルドがまず飛び出し囮となり、その隙を狙ってオルオとペトラが女型の目を斬る。視力を奪われた女型は木を背にうなじを手で守りながらもたれ掛かった。
目の回復する時間を与えないよう、3人はさらに攻撃を続ける。うなじを守っている手を降ろさせるために肩周りの筋肉を狙い、腕を落とさせた。
隙をつき、エルドが首の筋肉を狙うため女型に接近した、その時だった。
正面に来たエルドの上半身を女型は噛みちぎった。
リリアとエレンが目を見開く。
「う、うわぁぁぁぁぁ!!」
「エレン!!」
エレンが皆の元に戻ろうとしたが、リリアがエレンの腕を引っ張った。
「は、離してください!!リリア兵長!!エルドさんが、エルドさんが!!!」
「分かってる!!」
両目の視力を奪われていた女型は、短い時間で片目だけ早く回復させ、視力を戻してエルドを噛み切ったのだ。
次に狙いをつけたのはペトラだった。
体勢が崩れていたペトラは女型から逃げる事が出来ない。
オルオが追いつこうとするが間に合わず、ペトラは女型の足で木に向かって押し潰された。
「っ!!」
リリアが固まる。
まずい、このままでは……全滅する
オルオが直接うなじに向かって刃を振ったが、そのうなじは硬く、オルオの刃は折れ、捉える事は出来なかった。
そしてそのままオルオまでも蹴り飛ばされ、木々にぶつかり地面に落ちた。
そう……
信じた仲間は皆
女型に殺された