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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第85章 #85 真相



「リヴァイ!!」

リリアが走って近付き、リヴァイの体を支えた。

「リヴァイ?大丈夫?」
「リリア……お前…」
「私は大丈夫だよ、見て!腕!!気付いたら戻ってたし、体中の傷もないの。多分巨人の力がなくなる前に、全部治してくれたんだと思う」

そうか、とリヴァイが力なく答えた。

「待っててね、誰か呼んでくるから」

リヴァイは動けそうにない、それに加えて酷い怪我だ。
早く治療しなくてはいけないだろう。
リリアがその場から立ち去ろうとすると、リヴァイがリリアの腕を引っ張った。

「リリア…行くな」
「大丈夫だよ、すぐに戻るから」
「行かないでくれ」

掴むリヴァイの腕が震えている。
リリアはリヴァイを見つめた。

「頼むから……置いて行くな……もう…俺を……置いて行くな」
「リヴァイ……」

今にも泣き出しそうな表情をしリリアを見上げるリヴァイ。
彼は強いが故にたくさんの仲間の死を見てきた。
その度に悲しい思いを胸に閉じ込め前へと進んだのだ。

もうリヴァイも心が限界だろう。

リリアはリヴァイの手を握ると柔らかく笑った。


「分かった、分かったよリヴァイ。私、側にいるから」

するとリヴァイがゆっくり体を起こし膝を付いてリリアと向き合った。
彼の左膝はもう骨まで砕けているであろう大怪我だ。
リリアは慌ててリヴァイを止めたがリヴァイはリリアをその場に立たせた。


「リヴァイ、何?足…痛いでしょ?曲げちゃダメ、座って」

リヴァイは苦しそうに息をしながらリリアの手を握る。
握った手にもう力はあまり入っていない、しかしリヴァイは『今』リリアに言いたいのだ。


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