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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第85章 #85 真相



「……リリア兵長、オレ…オレ……兵長達の子供が産まれたら絶対に…絶対に会いに行きます」
「…え?」
「どんな姿になっても……必ず、必ず……『おめでとう』って伝えに行きますから!!」

上げたその顔は涙で濡れていた。
ポロポロとエレンの頬を伝っている。
リリアは優しく微笑んでエレンの頬を伝う涙を拭いてあげた。

「うん…うん……来てね……待ってるからね!」
「リリア兵長……リリア兵長!」

エレンが両手を伸ばして、リリアが力一杯抱きしめ返す。

「本当は……リリア兵長にすがりたかった…」
「一人でつらかったね……エレン…」

ゆっくりとエレンが離れ、涙を流しながら笑った。

「もう…時間です……本当にありがとうございました」

一歩、また一歩、エレンが距離を空けていく。

「エレン…」


「さよなら!リリア兵長!!ずっと大好きです!!」



涙に濡れたその笑顔をだんだんと煙のようなものが覆っていった。
重たい目を開けると、その煙が辺りを漂っている。
周りでは巨人から元に戻った人々が歓喜の声を上げて生きている事を喜び合っていた。
巨人の力は無くなるというのは本当だったのだ。

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