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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第85章 #85 真相



「皆んなに止められる結末が分かってなくても、オレはこの世の全てを平らにしてたと思います。森は殆ど消滅して…数日後には死肉で肥えた虫が大地を埋め尽くす。オレは…地表の全てをまっさらな大地にしたかった…」
「どうして?」

「…何でか分からないけど…やりたかったんだ…どうしても…」


ふとリリアは今まで疑問に思っていた事を思い出した。
もしかしたらその答えはエレンが知っているのではないだろうか、と。

「ねぇ、エレン?」
「はい」
「巨大樹の森で私が女型の巨人にやられた時、もしかして私を森の入り口付近まで運んだのはエレン?」

104期の初陣、女型の巨人を捕獲する為に巨大樹の森へおびき寄せたあの壁外調査。
リリアはあの時女型の巨人との戦闘に負けた。
戦闘をしたのは森の奥深くの筈だった。女型の巨人に蹴り飛ばされたとしても木が生い茂ったあの森で、そう移動距離は伸びないだろう。
それなのにリリアが見つかったのは森の入り口付近にいた奇行種の側、そのおかげで仲間の兵士が助けてくれたのだが、それだけが謎だった。


「もしかして巨大樹の森で私を入り口付近まで私を運んだのは…エレン?」
「そうです。奇行種を操ってリリア兵長を森の入り口付近に。そうすれば誰かが助ける可能性が高いですから」
「でも…あそこで私が死んでも未来に影響はないでしょ?どうしてそんな事」

例え巨大樹の森でリリアが死んだとしても、エルヴィンの意思は変わらなかっただろうし、リヴァイもあの時はそこまでリリアに執着しているわけではなかった。
彼らの未来に影響はなかった筈なのに。

「ありますよ、特にリヴァイ兵長に」
「リヴァイに?でもリヴァイはまだその時はそこまで私の事は……」
「あの、気を悪くしないでくださいね?」
「うん」
「リヴァイ兵長はリリア兵長が思っているよりもエルヴィン団長を信頼し、慕っているんです。ウォール・マリアで団長を失った悲しみ、辛さはリリア兵長と同じくらいのものだったと思います」

リヴァイはそういう感情をあまり顔に出したりしない。
平静を装いながらもかなり辛かっただろう。
最終的なエルヴィンの生死を自分で決めたのだから。

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