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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第85章 #85 真相



「8割の人類を殺して、パラディ島で殺し合いをさせて、みんなを…オレの大切な仲間を…生き残れるかどうかも分からないまま戦いに巻き込みました」

エレンは歯を噛みしめた。

「オレは頭がめちゃくちゃになってしまいました。始祖の力がもたらす影響には過去も未来もない…同時に存在する。だから…仕方なかったんです……あの日…あの時…ベルトルトはまだ死ぬべきじゃなかった…だから……見逃して………」


……に向かわせたのは……


声が小さくて聞こえない。
しかし何となく予想はついた。
過去も未来もない始祖の力、ベルトルトが壁を壊した日、あの時はまだ彼は死んではいけなかった、未来のために。

始祖は巨人の力を自由に出来る、ならエレンはベルトルトを救うために何をした?
幼い自分へ巨人に憎悪を持たせる為に何をした?


愛する母親を
自分の意思で……


リリアはエレンをギュッと力一杯抱きしめた。
するとエレンもリリアの背中に手を回し抱き返す。


「リリア兵長……オレ…オレ……死にたくない…ミカサと…みんなと一緒にいたい」
「エレン…まだ…まだ何とかなるよ、今ならまだ…!他の人はエレンを許さないかもしれない、でも私が守るから!私がエレンを守るから!!」

エレンは首を振りながらゆっくりリリアから離れた。

「ダメだ…オレと同じでみんな死にたくなかったはずだ…なのに…オレは…許されるわけがない……」
「エレン……」

立ち上がり、エレンはリリアに手を伸ばした。
その手を握り立ち上がるとエレンはリリアを波打ち際に連れて行った。
穏やかな波が二人の脚を撫でていく。

エレンは真っ直ぐ水平線の向こうを見つめて口を開いた。

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