第84章 #84 果たされた命令
リリアはリヴァイの体を引っ張り立ち上がらせた。
ジッとジークを見つめていたリヴァイが我に帰る。
「リヴァイ、立って」
「………」
「これが最後のチャンスだよ」
「あぁ……」
ギュッとリリアはリヴァイの手を握り、彼を強い眼差しで見つめた。
「エルヴィン団長の命令を果たしてきて」
その手をさらに力を入れ握り返したリヴァイ、本当はリリアだって行きたい筈だ。
しかしそれをリヴァイに託すのだ。
「私の……想いも一緒に…持って行って!!」
リヴァイがリリアを力一杯抱きしめた。
「リヴァイ……よろしくお願いします」
「あぁ!」
二人は離れるとジークを見る。
ここから全ての力でリヴァイをジークの所まで投げ飛ばす。
リリアがリヴァイの腕を右腕で掴み、力を入れて足を踏みしめた。
「行けぇぇぇぇぇ!!!!」
「いい天気じゃないか……もっと早くそう思ってたら……。まぁ…いっぱい殺しといて、そんなの虫が良すぎるよな…」
青い空を見つめながらそうジークが呟いたその瞬間、彼の首をリヴァイが斬った。
その時をリリアも見ていた。
やっと…
やっと……エルヴィンの命令を果たせた
やっと…
お兄ちゃんの仇を……