第83章 #83 激戦

ベルトルトの超大型巨人は鎧の巨人の体を掴むと食おうとするが、直前でジャンがうなじからライナーの本体を超大型巨人から引き離した。
すると超大型巨人は握っていた鎧の巨人の体をこちらに向かって投げつけてきた。

「っ！！」

このままここにいては鎧の巨人の体が飛んでくる、リリアはリヴァイの腕を掴むと軌道上から外れる場所に投げ飛ばした。

「なっ！！！リリア！？」

巨人の骨にぶつかるかもしれない、だがここでリヴァイがやられるよりは幾分かマシだ。
リヴァイを投げた後に自分もギリギリ回避したが飛ばされた鎧の巨人の体が左腕に当たり、とてつもない威力に左腕が飛んだ。
リリアに飛ばされ、巨人の骨に激突したリヴァイだったが、なんとかアンカーを突き立て落下を防いだ。
しかしリリアのその姿を見て目を見開く。
今すぐ向かいたかったが吐血し、体が上手く動かない。


「いっ……アンタ達…私の左腕好きだね……」

リリアも何とか落下を防いだ。
しかし視線の先に意識を失ったコニーを見つける。
その後ろから巨人がコニーに向かってきている、このままでは食われてしまう。
リリアは痛みを我慢しながらコニーの元へ向かいその巨人のうなじを斬った。
そしてコニーの近くに行くと声を上げた。とにかくコニーを起こさねばならない。

「コニー！コニー！！！起きて！！起きろ！！」

その間も巨人はどんどん襲いかかってくる。
ライナーはジャンがどうにか手を引っ張り留まっているが、ライナーの立体機動装置が壊れているのか動けないでいる。
唯一動けるミカサが巨人を倒しているが一人では限界がある。
リリアも左腕が飛ばされてしまったが、元々左腕は無かったのだ、痛みさえ耐えれば戦える。
一先ずコニーを起こすのは諦め、とにかく向かってくる巨人をミカサと共に倒していった。

「リリア兵長！！腕、治らないのですか！？」

ミカサが戦いながらリリアに向かって叫ぶ。

「今は無理みたい！！大丈夫！右腕だけでいける！！」


その時だ。
コニーに向かって再び巨人が襲いかかった。