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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第83章 #83 激戦



「アルミン!?」

背後にいたのはその一匹だけではない。
たくさんの巨人が我々の姿を見ている。

「そんな…」

そしてその巨人の群れは一斉にこちらに向かってきた。

「来るぞ!!ライナー!!」
「クッ!!」

ライナーが巨人達を抑え込んでいる隙にミカサとコニーが雷槍を撃ち込む。
リヴァイとリリアの方にも巨人が向かってきたが、二人は攻撃をかわして巨人を仕留めた。

「リリア!大丈夫か?!」
「大丈夫!!私の事は気にしなくていいから!」

攻撃してきた巨人達、動きは無垢の巨人ではない。
我々の様子を伺い同時に仕掛けてくる戦い方をしている。

「…どうする!?雷槍はすぐに尽きるぞ!?っていうか!!アルミンは生きてんのかよ!!」
「少しでも傷があれば即座に巨人化した筈だ…つまり傷一つなく捕獲されている。だがエレンのケツの方に連れ去られた。無数の巨人に通せんぼされてな…」

リヴァイが巨人の群れを見つめる。
ただの無垢の巨人ではない、さすがに突っ込んでいくのは無謀と言えるだろう。

「…俺が万全だとしてもあそこに突撃する選択はしない。だから落ち着け、ミカサ早まるな。俺が囮になり敵を集団で引きつけるまで」

今にも飛び出していきそうなミカサをリヴァイは止めた。
早く、早くアルミンを助け出さなければならないのに。

「リヴァイ、囮なら私がやるから。みんなは隙を見て後部に…」
『それは無理だよ、リリア、リヴァイ兵長』

そうリリアが言うとピークが言葉を遮った。

『敵の正体が分かった…あれは……歴代の『九つの巨人』歴代の継承者の意識があるかは分からないけど…始祖の巨人の力があれば無尽蔵に蘇らせる事が出来るのでしょうね…戦うためだけに生み出された歴戦の巨人兵を』
「そんなもん…敵うわけが…」 
『そう…だから悠長な事は言ってられない』

ピークは爆薬を咥え、飛び出した。

『私…エレンと別に友達じゃないから』

「え?!」
「オイ!!まさか!?」
「ピーク!?」
「あの野郎!!」

爆薬を始祖の巨人のうなじに巻き付けピークは車力の巨人から姿を現すと起爆装置を握った。

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