第10章 #10 死闘の果て
合流のため、信煙弾の撃たれた方向へ向かっていたリヴァイ班は、後方から現れ隣を飛ぶ兵士に気付いた。
リヴァイが自分達に追い付いたのだろうか、そう思ったその時だった。さらに後方から声が飛ぶ。
「そいつから離れろっ!!!リヴァイじゃない!!!」
先頭を飛んでいたグンタが飛んできたリリアの声に目を見開く。
隣を飛ぶ兵士は、リリアの言う通りリヴァイではない。
「誰だっ!!!」
そう叫んだグンタに向かって、その人物が斬り込んできた。
グンタは逃げきれずにその人物に斬られてしまった。
エルド、ペトラ、オルオ、そしてエレンが目を疑う。
一体何が起きた?
何故グンタが斬られた?
「グンタさんっ??!ちょっと!!どうして!!」
近寄ったエレンが固まる。
斬られたグンタはすでに息絶えていたのだ。
リリアも訳が分からなかった。
おそらく今攻撃してきたのはエレンを狙ってきていた女型の中身の人間だ。
しかし何故ここにいる、捕獲したのではなかったのか?
エルヴィンの作戦が失敗したというのだろうか。
だが今は考えている場合ではない、エレンを守らなければ。
「エレン!!止まるな!!進め!!!」
グンタの前で呆然としていたエレンをオルオが掴み、先に進ませた。
リリアも皆に合流する。
「リリア兵長!!これは!!」
「話はあとっ!!とにかく今は急いで本部に向かえ!」
すると攻撃してきた兵士が少しだけ速度を落とした。
何かをしようとしているのだろうか。
ほんの僅かな静けさの後、現れたのはやはり女型の巨人だった。