第82章 #82 戦え
地鳴らしは止まらない
パラディ島の未来を運命に任せて放棄することもない
オレは進み続ける
「な……!?」
「オイ」
リヴァイが指差した先に小さな子供の姿が見えた。
子供の姿だが、それは紛れもなくエレンだった。
ミカサ、アルミン、ジャンとコニーがエレンに向かって走り出す。
「エレン!!」
「はっ?!子供じゃねぇか!?」
「でもあれはエレンだよ!!」
「エレン!!」
お願いだ。
どうか、どうかここでやめて欲しい。
「なぜダメなんだエレン!?俺らが信用できねぇってのか?!」
「どうして僕らが巨人の力を使えるままにしたんだ?!ここならいくらでも話せるだろ?!話してくれよ!!僕らはずっと一緒だ!!もうこれ以上遠くへ行かないでよ!!エレン?!」
オレは自由を手に入れるため
世界から自由を奪う
だが
お前らからは何も奪わない
お前達は自由だ
4人は走った、エレンの元へ。
しかし走れど走れどエレンの所へ辿り着けない。
気付けばリリアやリヴァイ、ピーク、ライナーのいる場所へと戻ってきている。
お前らが世界の自由を守るのも自由
オレが進み続けるのも自由
互いに曲げられぬ信念がある限り
オレ達は衝突する
息を切らしながらエレンを見ると、その隣には見知らぬ少女の姿があった。
オレ達がやることは
ただ一つ
戦え
「そんな…じゃあ何で…僕らをここに呼んだんだよ」
話し合いは必要ないと
話すため
オレを止めたいのなら
オレの息の根を止めてみろ
お前らは自由だ