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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第82章 #82 戦え



「…え?」

リリアは立ち上がり辺りを見渡した。
どこか、どこかにエレンはいないのか、ここには自分達しかいない。
という事はこちらの話を聞いていて我々だけ呼んだのではないのか。

「……またかよ…」
「…これは…」
「何だ…聞いてやがったのか?」

するとアルミンが姿の見えないエレンに向かって声を上げた。
彼は必ずここのどこかで聞いているはず。

「エレン!!聞いてくれ!!もう十分だ!!きっと!これから何百年先、誰もパラディ島に手を出せない!!それほどの恐怖と破壊の限りが尽くされた!!今なら不可侵条約を結んで終わりに出来る!!これ以上殺さなくてもいい!!島はもう大丈夫だ!!」

皆がアルミンを見つめる。

「僕達が悪かった!!エレンをここまで追い込んだのは僕らだ…!!」

そして各々エレンに向かい声を上げる。
どうかもうやめてほしい、エレン一人が抱え込まなくていい。

今ならまだ……まだ……


「エレン…エレン!!後は俺達で何とかするから!!もう…俺達のために虐殺なんてやらなくていい!!」
「あぁ…そうだ!!エレン!!サシャの事でお前を憎んだけど…本当はお前だって悲しかったんだよな!?なのに…ちっともお前の立場になろうともしなかった!!」

「…エレン…私は…あなたの罪を一緒に背負いたい。あなたと同じ罪が…私達にもある。だからもう…私達を遠ざけないで……だからお願い…帰ってきて…」

ミカサも必死に呼びかけるがエレンからの反応はない。
リリアも姿が見えないエレンに呼びかけた。

「エレン!もうやめよう?!本当はこんな事したくないんでしょ?私に言ってくれたよね?仲間が大事だって、それだけは変わらないって!!帰ろう?みんなと…仲間と一緒に帰ろうよ!!」
「だとよエレン…今ならケツに蹴り入れるだけで勘弁してやる…オイ…何とか言ったらどうなんだ?」

リヴァイも話しかけるがやはりエレンからの返事はない。

「エレン?!」


その時だ。
頭の中にエレンの声が響いた。


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