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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第82章 #82 戦え



「あぁ……レベリオ襲撃の時にエレンに同じ事を言われた。俺はエレンの考えている事が少しわかる気がする…エレンは…俺達に止めてほしいんじゃないのか?」

皆がライナーを見る。

「…どういう事?」
「イヤ…そう思うってだけなんだが…」

するとアルミンが考えるように視線を少し下げた。
今までのエレンの行動に疑問を感じていたからだ。

「ずっと疑問に残ってた…エレンは全ての巨人とエルディア人に影響を与える事が出来る。なのに僕らは変わりなく巨人の力を使えるままだ」

何故エレンは自分達の巨人の力をそのままにしているのだろうか。
世界を滅ぼしたいのならば自分にとって脅威になるであろう巨人の力は奪うべきだ。

「エレンは意図的に我々を放任してるって事?」
「そう…自由にやらせてる。まるで…僕達がどうするのかを試すみたいに」
「どうして…?地鳴らしを止められるかもしれないのに?」

「あいつだって……辛いはずなんだ…人類虐殺なんてとても…耐えられる事じゃない…俺だったら…もう始祖の力を誰かに任せてしまいたい。それが出来なければ…終わりにしてほしい……誰かに…」

ライナーがそう言った瞬間、辺りの風景が変わった。
そう、これはエレンが地鳴らしを発動した際、全エルディア人に話しかけた時のあの場所だった。


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