第82章 #82 戦え
「確かに…そうかもしれません…」
「確証はないがハンジはそう予想した」
「それもジークの位置が分からないんじゃ…」
「探すしかねぇだろ。あの骨の中から獣のクソ野郎を……ジークは俺が仕留める。力を…貸してくれ」
リヴァイが皆を見る。
その眼差しは力強く、今度こそジークを討つ気迫が溢れていた。
「リリアも」
「ん?」
「討てるチャンスがあったら迷わず討て」
リヴァイにそう言われたがリリアは少し考えて首を振った。
意味が分からずリヴァイが眉をひそめる。
ジークはエルヴィンの仇だ、リリアは今まで何がなんでもジークを殺す気でいた。
それが何故討てと言って首を振るのだろうか。
「ジークはエルヴィンの仇だろう?何故首を振る」
「確かにそうだよ、でもねジークはリヴァイが討つべきだと思う」
「は?」
「エルヴィン団長から獣の巨人の討伐の命令を受けたのはリヴァイだ」
「っ!?」
「私のは私情だから」
「リリア…」
「そりゃあリヴァイがもう動けない、手も動かせない無理!ってなってたら私がやるけど」
「バカ……」
リヴァイはリリアの額を小突いた。
ジークを討つのはリヴァイの役目、団長からの命令をリヴァイの手で果たしてほしい。
「だから精一杯私はリヴァイのサポートをするよ!囮でも何でも!!」
リヴァイは苦笑いをするとリリアの頭をポンポンと叩き自分の胸に引き寄せた。
リリアのためにも必ずジークを討つ、そうリヴァイは心に決めた。