第82章 #82 戦え
紙にリヴァイ、ピークが見たという始祖の巨人を絵に描くアルミン、始祖の巨人はまるで骨の塊のような奇怪な形をしていた。
ここのどこかにエレンはいるはずなのだが実際はどうなのかは分からない。
「兵長とピークが見た『始祖の巨人』はこんな形でいい?」
「えぇ…よく見えたわけじゃないけどね」
「要はバカでかい骨の塊が動いている…虫みてぇにな」
「普通に考えるなら頭部のうなじに本体はいるけど…」
「戦鎚と同じ手がある限り絶対じゃねぇ」
エレンがどこにいるか分からないとなると、一体どこを攻撃してエレンを止めればいいのか。
「…どこにいるか分からなくても、まとめて吹き飛ばす事は出来る。あなたがレベリオ軍港を跡形もなく破壊したように…あなたの『超大型巨人』なら」
ピークの言葉にアルミンが眉をひそめた。
「確かに…それが一番有効なやり方だ。でもそれはエレンとの対話を尽くしてから…それでも他に…エレンを止める術が無い時の…最終手段だ」
するとリリアが小さく手を上げ、口を開いた。
「ハンジがね」
「はい」
「ジーク倒したら?って」
言葉足らずのリリアに付け足すようにリヴァイが続ける。
「…最終手段があるに越したことはないが…エレンはジークを介して『始祖の巨人』を支配してんだろ?先にジークを殺しちまえば地鳴らしは止まるんじゃないのか?」
「です!」
「お前は言葉が足りなすぎだ」
その意見に皆がリヴァイとリリアを見た。