• テキストサイズ

誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第81章 #81 調査兵団として



ハンジはそう言うと一人、巨人に向かって飛び出していった。
そしてその巨人達の群れを上空で眺めながら呟いた。


「あぁ……やっぱり巨人って素晴らしいな」




格納庫では整備士達が必死に開けられた穴を塞いでいた。
急がなければ巨人達はもう目の前だ。

「塞がった!!燃料を入れろ!!もうそこまで来てる!!燃料はここまでだ!!」
「エンジンをかけろ!!機体を前に押すんだ!!」

格納庫を進路にしている巨人をハンジが一人足止めしている。
しかしなかなか格納庫から飛行艇が飛び立たない。



早くっ
早くっ!!この身がもつ間にどうか飛び立って欲しい



「熱ッ!!まだか…!?」

巨人の高熱によりハンジの体に火が着いた。
早くしないと先に体が燃え尽きる、ハンジは体が燃えながらもひたすら巨人を攻撃し続けた。


「急げぇええ!!」

そしてついに船と飛行艇が格納庫から飛び出した。
巨人が格納庫に到達する直前だった。

皆が飛行艇の中からハンジを見守る。
ハンジの体は燃えながら地面に向かって落ちている。

「ハンジさん!!」
「離陸する!!掴まれ!!」

いまだ泣かずに窓からハンジを見つめていたリリアにピークが後ろから声をかけ肩を支えた。
体全体で息をし、過呼吸になりかけている。

「リリア、リヴァイ兵長の隣に座って。もう……離陸するから。それに最期は見ない方がいい」

ピークに支えられ、リリアがリヴァイの隣に座ったと同時に飛行艇は離陸した。
するとリヴァイが小さく呟く。


「…じゃあな、ハンジ……見ててくれ」



/ 1014ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp