第81章 #81 調査兵団として
「アルミン…何か…手はないの?」
「もう…これしかない。僕が残って足止めを…」
「お前はダメだ!!エレンを止める切り札はお前しかいない!!ここは俺が!!」
「ダメに決まってるだろ!!巨人の力はもう一切消耗させるわけにはいかない!!」
ライナーが自分が行くと言い出したがハンジがそれを止めた。
「ハンジさん!!」
「みんなをここまで率いたのは私だ。大勢の仲間を殺してまで進んだ。そのけじめをつける」
そう言うとハンジはアルミンに視線を向けた。
「アルミン・アルレルト。君を15代調査兵団団長に任命する。調査兵団団長に求められる資質は理解することを諦めない姿勢にある。君以上の適任はいない。みんなを頼んだよ」
皆、言葉が出ない。
ハンジは一人であの地鳴らしを食い止める気だ。
燃料タンクを修理し離陸するまでの少しの時間をハンジが作るというのだ。
そんな事をしたらもう、自分の命はない。
「というわけだ、じゃあね、みんな!!あー、リヴァイは君の下っ端だからコキ使ってやってくれ!!リリアはコキ使っちゃダメだけど体調を気にかけてあげながら戦闘に参加させてくれ!」
「……な……」
「…オイ。クソメガネ」
行こうとするハンジの前にリヴァイが立った。
隣には絶望的な表情をしているリリア、ハンジはニコッと笑い、まずリヴァイを見た。
「分かるだろリヴァイ、ようやく来たって感じだ…私の番が。今最高にかっこつけたい気分なんだよ。このまま行かせてくれ」
するとリヴァイは少しだけ沈黙しハンジの胸にポンっと拳をぶつけた。