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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第80章 #80 エレンの居場所



リヴァイの船室に到着し、彼をベッドへ寝かせるとハンジはリリアの頭に手を置いた。

「リヴァイ、ちょっとリリア借りるよ」
「あ?」
「ちょっと大事な話をね!」

首を傾げリリアがハンジを見上げる。

「勝手にしろ」
「ありがとう〜!じゃあリリア、行こうか!」
「うん」

リヴァイの船室から出ると、2人はハンジの船室へと向かった。
リリアをベッドに座らせ、自分も隣に座る。
一体大事な話とは何なのだろうか、リリアはハンジを見つめた。


「さてと、ごめんね」
「ううん?どうしたの?」
「リリアに言っておかなくちゃいけない事があってね。今話すべきか悩んだんだけど、もしも何かあった時に伝えられてなかったら困るしね」

えっ、とリリアが泣きそうな顔をし、ハンジが慌てる。

「あー!!違う違う!!変な意味じゃないよ?一応って事!」

ハンジはリリアの頭をポンポンと叩くと、そっとお腹に触れた。

「この子の出産の事だよ」
「出産?」
「ジークの脊髄液を口にしたリリアは巨人化をこの子が今止めている」
「うん」
「それはこの子がリリアのお腹の中にいるからだ。出産したらリリアとの繋がりがなくなり、巨人化がおそらく再開される」

リリアが目を見開く。
要するに出産したらアッカーマンの体質になっている状態ではなくなり、止めていた巨人化が再び始まりリリアは無垢の巨人となるという事だ。

「この子をずっとお腹に留めておく事は不可能だ。いつかは出産しなくてはならない。リリアの巨人化再開は高確率だろう」
「……」
「避けては通れない道だ。だから……」

「覚悟しなさい、って事ね?」

ハンジが視線を下げたが、リリアは苦笑いをしてハンジの手を握った。
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