第79章 #79 過去の謝罪
「何でだっ!」
「ダメダメ!!お、お兄ちゃんが見てる!!」
ピタリとリヴァイの動きが止まった。
「は?」
「私、死にかけた時にお兄ちゃんに会って……お兄ちゃん、私の目から全部見てるって!リヴァイとお付き合いしてるのも知ってたし、子供が出来たのも知ってたし、全部知ってるんだもん!!見てる!!だからリヴァイとキス出来ない!!」
「はぁぁぁ?今更だろうが!」
「ヤダヤダヤダ!!」
リヴァイはグイッとリリアを引くと、痛む体を我慢してリリアに跨り腕を上げさせ固定した。
何故かリヴァイも意地になっている。
「やだー!!」
「見られて恥ずかしいのは俺の方だろうが!!」
リリアの動きが止まる。
「へ?」
「お前の目から見てるならエルヴィンが見てるのは俺の姿だろうがよ!」
「………」
チラリとリリアは顔を上げリヴァイの体を見た。
その視線はゆっくりとリヴァイの下の方へと向かう。
「お前……何でそこで俺の下半身を見る…」
「えっ?!やっ!あの!!私っ、リヴァイと!その!!致してる時は…!!」
「致してるっ?!」
「あんまりそのっ!リヴァイのソレを見ないようにしてるから!!」
「ソレ?!」
「ただリヴァイのすんっっごく気持ち良さそうな顔しか見てないから大丈夫!!!」
ドサッとリヴァイがベッドに撃沈した。
肩が震え、なかなか顔を上げない。
「リ…リヴァイ?」
「バカが!!それが一番見られたくないモンに決まってんだろうがぁぁぁ!!!」
「ひえぇぇぇ!!!下半身よりいいんじゃないの?!」
「良くねぇよ!!男が男に下半身見られて恥ずかしいとかあるか!テメェだって女に胸見られてもそこまで恥ずかしくねぇだろ!!」
「……その通りです!!!しかし人によると思います!!でも男の人は勃っ……」
「あぁぁぁぁ!!!うるせぇぇ!!!」
それから暫く二人で格闘していたが、リヴァイが先に体力がなくなりベッドに倒れ込んだ。
本当に恥ずかしい、エルヴィンに自分のそんな表情を見られていたと想像するだけで頭が爆発しそうな程だ。
「…も、もういい…」
「リ、リヴァイはケガ人なんだから大人しく寝ててよ!もうこの部屋使っていいから!」
リリアは少し乱暴にリヴァイに布団を掛けた。