第79章 #79 過去の謝罪
「うん」
リリアはリヴァイの顔を覗き込んで笑顔を見せた。
「もういいよ。リヴァイの気持ち、ちゃんと分かったから」
「……俺から離れたいとか思わねぇのか?」
「思わないよ?なぁに?リヴァイは私に離れてほしいの?私、こんなにもリヴァイの事が大好きなのに……リヴァイの私に対する思いってそんなもの?」
リヴァイは目を丸くしてリリアを見た。
「私はね、むしろリヴァイに感謝してる。私を強くしてくれてありがとう。だから私は今、リヴァイの前にいるの」
「………あぁ…」
するとリリアはリヴァイから少し離れた。
背筋を伸ばし、少し視線を逸らして口を開いた。
「えっと……」
「何だ?」
「私、ちゃんと兵士長かな?リヴァイから見て、兵士長かな?」
リヴァイは苦笑いをするとポケットからスカーフを取り出し、まだ痛い手でリリアの首元にリボンを結んだ。
リリアが兵士長に昇格したあの時のように。
「あぁ…立派な兵士長だ」
「へへ!」
リヴァイはリリアの両手を握り、ゆっくり自分の顔を近付けた。
唇が当たる、その寸前で何かを思い出したかのようにリリアは目を見開き、リヴァイの体をベッドに放り込んだ。
重症のリヴァイにはかなりのダメージだ。
「いってぇぇ!!」
「あぁぁあ!!ごめん!リヴァイ!!でもダメ!!キ、キスしたらダメ!!」
「はぁぁ?おま……そういう雰囲気だったろうが!」
ブンブンと大きく首を振るリリア。
少しカチンと来たリヴァイは再びリリアの腕を掴み引っ張り、自分を跨がせ引き寄せるが、頑なにリリアが拒む。