第79章 #79 過去の謝罪
「なぁ」
「何?」
「これから先は俺もまた戦闘に加わる」
ギュッと手を握られ、リリアはリヴァイの方を見た。
先程までのふざけた空気は今は一切ない。
「この体じゃ今まで通りの戦いは出来ねぇ。戦うには俺の戦い方全てを知っているリリアの支援が必要だ」
「………」
「俺の側にいて、俺を支えてくれ。頼む、エルヴィンの命令をもうこれ以上先延ばしにする事は出来ねぇ。お前にしか頼めない」
リリアはリヴァイの手を力強く握り返した。
「勿論」
安堵したかのようにリヴァイが小さく息を吐いた。
するとリリアは膝を着き、リヴァイに顔を近付けるとゆっくり優しく口付けた。
「なんだよ…嫌だったんじゃねぇのか」
「……んー、リヴァイの言う通り今更かなって」
リヴァイがリリアの首元に手を回し自分に引き寄せ抱きしめると頰と頬をくっ付け擦り寄った。
珍しくまた甘えてくる。
「リヴァイ?」
「なんだ」
「……珍しいね、こんな甘えてくるの」
「あれだけ俺に心配かけさせたんだ。いいだろ」
「いいけど……恥ずかしいよ」
「な…で……俺しか…いね…」
ストンっとリヴァイの手から力が抜け、体がベッドに落ちた。
見ると寝息を立てている。
怪我の影響もあるだろうが、リリアの無事と自分の気持ちを伝えられた事で気が抜けたのだろう。
リリアはリヴァイにきちんと布団を掛けるとポンポンと体を叩き、静かに船室を出た。