第79章 #79 過去の謝罪
「私は今まで一度だって昔の事でリヴァイを恨んだ事はないよ。誓って言える……信じて…」
「……本当か?」
「うん、本当」
リヴァイの頬に手を添えると、リヴァイは擦り寄るようにその手に甘えた。
手を添え、もっと撫でで欲しいというように擦り寄ってきた。
ここまでリヴァイがリリアに甘える事は珍しい。
「本当はお前が俺を恨んでいて……今回の事がきっかけでお前が俺から離れてしまうんじゃねぇかって…」
「怖かったの?」
返答はなかったがリヴァイはゆっくり体を動かしリリアに抱き着いた。
「その上…お前死にかけるし……」
「ごめん…」
「いや…お前の優しさに甘えて……今まで言わなかった俺が悪い」
リリアから再び離れるとリヴァイはリリアをじっと見つめた。
「俺が言わなきゃいけなかった事だ。聞いてくれ」
「うん」
「お前に訓練を頼まれた時、俺は必要以上にお前に厳しい事をした。今思い出したら反吐が出るくらいに…」
「………」
「そんな酷いことをした俺が…お前を想う資格なんて…本当はないのかもしれねぇ……お前は優しいから…気付いてないのかもしれないが、きっと心の中で深い傷を負わせていたはずだ」
リヴァイはリリアの両手を握ると下を向き、自分の額にくっつけた。
「すまなかった……酷い事をした……どうか許してほしい」
本当にリリア自身リヴァイのした厳し過ぎた訓練の事を恨んではいない。
しかしこれはリヴァイのケジメだ。
ここはしっかり受け止めてあげなければ、リヴァイが先に進めないだろう。