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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第79章 #79 過去の謝罪



「何を言ってるの?」
「今回のリリアの行動は俺の責任でもある。俺が昔お前に厳しくしなかったらイェレナの言葉に反応する事もなかっただろ。お前も昔の俺の行為がツラくて苦しくて嫌で…それを今まで隠して溜めに溜め込んでたから今回爆発したんじゃねぇのか」
「そりゃあリヴァイの訓練はツラいし、苦しいし嫌だなぁって思う事はたまにあったけど、リヴァイを恨んだ事なんて一度もないよ?頼んだのは私だよ?なのにどうして恨まなきゃいけないの?」

「じゃあどうしてイェレナの言葉に反応した」
「だから、悔しくて」
「どうして悔しい?!俺もハンジもお前の努力は認めてただろうが!!なのにアイツの言葉に反応したのは、お前が心のどこかで俺の行いを嫌だと思ってた事があったからだろ?!」
「違う!!!」
「何が違う?!」
「訓練はツラかったけどそれでリヴァイを恨んだりしない!!」
「じゃあ証明してみせろよっ!!!」

リリアは口を開けたまま固まった。
リヴァイはどうしたというのか、普段ならこんなに声を荒げたりしないのに。

再び俯いてしまったリヴァイ、暫く沈黙が続くとリリアがリヴァイの手を握った。
しかしリヴァイが手を振り解いてしまう。

「……リヴァイ」
「………」
「ねぇ」

返事はない。
リリアは一度ベッドから降りると、リヴァイの前に膝を着き再びリヴァイの手を握った。
今度は振り解かれなかったが、まだリヴァイは顔を上げようとしない。

「ねぇリヴァイ。どうして今私がリヴァイの目の前にいると思う?」
「………」
「リヴァイが昔、厳しい訓練をつけてくれたからだよ?もしあれだけの事をしてくれなかったら、私は壁外調査でとっくの昔に巨人に喰われてたよ?」

握った手に力を込める。
どうか伝わって欲しい、自分はリヴァイを恨んだりしてはいない。

「リヴァイのおかげでこうやってリヴァイの前にいる。リヴァイのおかげでこうやって手を握れる。リヴァイのおかげで私はリヴァイの事が大好きになった」

すると今まで顔を上げなかったリヴァイがゆっくり少しだけ顔を上げ、リリアを見た。
その目はとても不安そうだ。


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