第79章 #79 過去の謝罪
再びコニーに支えられリリアの船室まで来たリヴァイは、礼を言うとあとは一人で、とコニーと別れた。
船室からは音はしない、ハンジはもういないのだろうか。
リヴァイは扉を開けると中を確認した。
ハンジはおらず、ベッドで寝ているリリアを視界に入れ安堵して中へとゆっくり足を進めた。
近くにあるイスをベッドの横に付け座り、リリアを見つめるリヴァイ。
布団をめくり怪我の状態を確認した。
(治ってるな……首の深い傷もねぇ)
あれだけ酷かった怪我が綺麗に治っている。
一目見てもう無理だと思う程大怪我だったのに。
すると体に触れられているのに気付いたのかリリアが目を開けた。
「……なんかリヴァイが……触ってる」
「っ!!」
リヴァイが慌てて布団から手を退ける。
「お…俺はお前の怪我がちゃんと治っているのか確認を……」
「分かってるよ、冗談だってば」
リリアはゆっくりと起き上がると両腕を上下に動かした。
「平気!」
「そうか…良かったな」
リヴァイは少しだけ笑うとすぐに視線を落とした。
明らかにいつもと様子が違う。
「リヴァイ……怒ってる?」
「もうハンジに怒られたろ?ならもう俺が言う事はねぇよ」
「ならどうして私の事見てくれないの?」
そう言ってもリヴァイはリリアを見ようとしない。
「なぁ、一つ聞きたい事がある」
「何?」
「お前……本当は俺の事恨んでいるか?」
「え?」
「表には出さなくても、心の奥底で俺の事を恨んでいたんじゃねぇのか?」
リリアは首を傾げた。
一体リヴァイは何を言っているのだろう?
恨むとはどういう事なのだろうか。