第9章 #09 女型の巨人捕獲
女型の巨人が速度を上げ、リヴァイが歯を噛みしめた。
このままだと追いつかれる。
「リリア!!!」
リヴァイの呼びかけにリリアは手を上げた。
加速するのを了解した、そう返したのだ。
「目標加速します!!」
「走れっ!!このまま逃げ切る!!」
もう少し、もう少しだ。
目標地点までこのまま逃げ切る。
そしてついに木の上に待機していたエルヴィンの前をリリアが走り抜けた。
5
4
3
2
1
「撃てぇぇぇぇぇぇ!!!!」
リヴァイ達が通り過ぎた後、エルヴィンの合図と同時に女型の巨人に向かって一斉に拘束器具が放たれた。
拘束器具は全て女型に当たり、拘束が成功した。
リリアはそれを確認すると脇道に外れ、エルヴィンの元へ向かう。
リヴァイ達はリリアが反転し、先程拘束器具が放たれた場所へ戻っていくのを確認した。
「リリア兵長……まさか…ここまで誘導を…」
そしてリヴァイも、ここへと誘導した一人という事だ。
彼らは何も知らされず、女型の巨人の捕獲のために、リヴァイとリリアにここまで誘導されてきたという事を今知った。