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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第9章 #09 女型の巨人捕獲



リヴァイ班から離れ、馬を止めるとリリアは木の上にいたエルヴィンの元へ立体機動装置で上がっていった。
エルヴィンが目だけでリリアを見る。

「団長!」
「リリア、よくやってくれた。ひとまず捕獲は出来た」

リリアが頷き捕らえられた女型の巨人を見る。
すると直後にリヴァイも木の上に上がりリリアを見るとお互いに頷き合った。

「動きは止まったようだな」
「まだ油断は出来ない。しかしよくこのポイントまで誘導してくれた」
「後列の班が命を賭して戦ってくれたおかげで時間が稼げた。あれがなければ不可能だった」
「そうか」
「そうだ。彼らのおかげでコイツのうなじの中にいる奴と会える。中で小便漏らしてねぇといいんだが」

女型の巨人の中の人間の捕獲はリヴァイとミケに任されている。
リリアはエルヴィンの方を向き口を開いた。

「団長、私はエレン達の所に行ってきます。きっと混乱しているだろうから」
「分かった。撤退の指示を出すまではエレンを守ってくれ」
「了解です」

あとは宜しくね、とリヴァイにそう言い、木から飛び移ろうとしたその時だった。
エルヴィンがリリアを引き止めた。

「リリア」
「うおっ…!!はい??」

急に呼び止められバランスを崩しそうになりながらもリリアは振り向いた。
何故かエルヴィンがジッとリリアを見つめている。

「何か?」
「………」

エルヴィンは視線を逸らさない。
何故か胸騒ぎがする。

「団長?」
「…………」
「お兄ちゃん?」

ハッとエルヴィンは我に帰るとリリアから視線を外した。

「いや、気を付けて行ってきなさい」
「はい!!」

リリアはそう返すとエレン達のいる方向へと向かっていった。
彼女の姿が見えなくなるまでエルヴィンはジッとリリアの背中を見送った。



何だ……
この嫌な予感は……


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