第77章 #77 私は強い
「リヴァイ!!!あの馬鹿!ジャン!コニー!!」
「は、はいっ!!」
「手伝って!!!」
リヴァイはリリアの元に辿り着くと膝を着いてリリアを見た。
体のあちこちが銃で撃たれ、首筋が深くえぐられて血が溢れている。
口からも吐血し、目はうっすら開いたまま空を見つめていた。
誰が見ても、もう助からない。
リヴァイは血塗れのリリアを抱き上げるとギュッと抱きしめた。
いつもなら抱き返してくれるのに、身体は冷たく、全く動いていない。
「リリア……すまねぇ……俺が昔…あんな酷い事をしなきゃ……こんな事にはならなかったのにな……ごめん…ごめんな……長い間…心の奥底で苦しめたろ……ごめんな…」
するとリヴァイはリリアのお腹に手を添えた。
見ると腹部だけは傷がまったく付いていない。おそらくリリアは子供を守りながら戦っていたのだろう。
「お前も…ごめん……母親を守ってやれなかった……止めてやれなかった……会いたかった…」
ハンジとジャン、コニーがリヴァイに追いつくと、ハンジはリヴァイからリリアの体を離せさせた。
ジャンがリヴァイを担いたが、もうリヴァイは暴れなかった。
真っ直ぐにリリアを見つめたまま、そして小さく呟く。
「リリア………愛している……これからも…ずっと…」
ジャンとコニーが目頭を押さえる。
二人には幸せになって欲しかった。こんな形で別れてほしくはなかったのに。
そしてリヴァイ、ジャン、コニー、そしてハンジが船に戻った。
ここでリリアとはお別れだ、おそらくリリアの体はそのまま海に捨てられるだろう。
いい扱いは受けない、それが分かっていながらも連れて行くことは無理だ。
ジャンから降りたリヴァイは振り返り再びリリアを見つめた。
リリア……
リリア………ごめんな……