第77章 #77 私は強い
「リリア?」
「そんな……」
リヴァイは震えながら船を降りようと歩き出した。
早く、早く助けに行かなければ。
しかし怪我のせいで足は上手く動かない、リヴァイは地面に倒れてしまったが這いつくばって船を降りようとした。
「全員船に乗れ!!リヴァイ!!ダメだ!!」
ハンジは皆を急ぎ船に乗せるとリヴァイを止めた。
もうこの機会を逃すと本当に出港出来なくなる。
何よりそれをリリアが望んでいた。
辛いところだがここは出港を優先させなければならない。
「このまま出港する!!」
「リリアを置いて行くのか?!」
「置いていく!!それがリリアの願いだ!」
「冗談じゃねぇ!!まだ間に合うかもしれねぇだろうが!!」
「無理だ!!あの怪我じゃあもうこの先治療が出来ない。それに……もう助からない」
倒れたリリアはピクリとも動いておらず、斬られた首から血が溢れ出し体の周りに溜まっている。
あの出血量ではもう助ける事はできない。
「諦めろ、出港する!!」
するとマガトがファルコ抱えていたファルコをオニャンコポンに任せ、船を降りようとした。
「すぐに船を出せ。リリアの気持ちを汲んでやれ」
「え?あんたは?」
「殿を務める」
そう言うとマガトは船から降り、一人どこかへと走っていってしまった。
「ハンジさん!出港しますよ!!」
「あぁ!」
リヴァイはリリアを見つめた。