第77章 #77 私は強い
リリアはゆっくり、ゆっくりと足を前に進めハンジ達の元へと近付いた。
しかし何歩か進んだところで足が止まる。
前に行きたいのだが足が出ない。
血が止まらない
頭がフラフラする
足が前に出ない
目もなんだか霞んできたなぁ
こんなに怪我してるのに
何でだろう
今はもう痛くないな
これはもう…ダメな感じかな…
でもみんなが船に乗る時間は出来たはず
リリアは船の方を見るとイェレナを視界に入れた。
そしてニコリと笑う。
「イェ……ナ……わた…し……強かっ……でしょ?」
イェレナ、私強かったでしょ?
「っ!!」
イェレナが目を見開いたその時、リリアの体はグラッと傾き、ビシャっという生々しい音と共に地面に倒れた。