第77章 #77 私は強い
船の上からリヴァイがリリアを見ている。
どうにか無事に終わった、胸を撫で下ろしため息をついたリヴァイ、するとガビがリヴァイの服を軽く引っ張った。
「良かったね、リリアさん無事だよ」
「あぁ」
その時だ。
パァンという銃声と共に最後尾を歩いていたリリアの右脚に穴が開いた。
皆が振り向くとリリアが血塗れで倒れている。
「なっ?!リリア!?」
「リリア兵長!!!」
リヴァイが目を見開く。
遠くから兵士が一人だったリリアを狙って撃ったのだ。
そしてその周りに数十人の兵士、どうやら追撃してくるようだ。
もうこちらの戦力はないに等しい、船に乗り込むのが間に合っても沈まされる可能性が高い。
するとリリアがゆっくり立ち上がりブレードを構え皆の前に立った。
足からは血が溢れ、力が上手く入らないのかガクガクと震えている。
「ここは私が止めておくから……早く船に」
「何を言ってるんだ…リリア?!」
「大丈夫、倒したらすぐ船に乗るよ。ほら、行って?」
ハンジは首を振った。
無理だ、リリア一人で抑えられる訳がない。
リリアは振り向くと笑った。
「平気!!だって私、強いから!」
そう言うとリリアは足に力を入れ兵士達に向かって走り出した。
かなりの痛みがあるだろう、血も流れ地面に落ちている。
しかしまるで怪我などしていない様な足取りで走り込んで行く。
その姿を船から見ていたリヴァイは口元に巻かれている包帯をずらすと声を上げた。
「リリア!!!もういい!!戻れ!!!くそっ…聞きゃしねぇ!」
リヴァイは隣にいたガビから先程使った銃を持つと、リリアの向かおうとしている先の兵士を撃とうと構えた。
しかしガビがそれを止める。
「兵長!だめ…弾はもうないの…一発しか入ってなくて」
「クソ……リリア…」