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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第76章 #76 証明するために



ハンジとジャン、マガトはアズマビトを連れて地下へと逃げていた。
ここにいれば外で戦っているアニとライナーの邪魔にならない。
とにかく今はアズマビトしか頼る者がいない、彼らをどうにか守らねば飛行船を手に入れられない。
地下の階段で銃を構えて様子を伺っていると叫び声がし、血塗れの兵士が転がってきた。
驚きハンジとジャンが目を見開く。

「ヒッ?!何事?!」
「あ、いた」

その血塗れの兵士の後ろに立っていたのはリリアだった。
返り血を浴びていて体中真っ赤だ。

「リリア?!どうしてここに?!」
「加勢に」
「リリアは来ちゃいけないって言ったろう?!」

ハンジが強く言うがリリアは視線を逸らす。
ここに突っ立っていては危険だ、ハンジはリリアの腕を引いて壁に隠れたがリリアは首を振った。

「大丈夫だよ。建物内の兵士は全員倒した」
「は?」
「だから増援が来るまでは暫く大丈夫」

チラリとハンジが壁から覗く。
確かに追っ手が来ない、静かだ。

「全員って……一人で?」
「うん」
「リリア?」

一体どうしたというのだ。
あまり表情もない、そもそも何故リヴァイは止めなかったのか。
いくらリリアが戦力になると言っても彼女は今絶対に安静にしておかなくてはならない、それはリヴァイも分かっているはず。
きっと何かあったに違いない、でなければリヴァイが行かせるはずがない。
ハンジはギュッとリリアを抱きしめた。

「どうしたの?何かあったの?」
「別に。ただ私の立場を証明しにきた」
「え?」

二人を背にマガトはアズマビトの整備士に話しかける。

「それで?飛行艇を飛ばすのに何分かかる?」
「1日かかります」

マガトが固まった。
それを聞いたハンジとジャンも目を見開き、その整備士を見た。
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