第76章 #76 証明するために
「だから私は、兵士長という階級に誇りを持ってこれまでやってきた」
だがウォール・マリア奪還事、リリアは左腕を失い以後の壁外調査で前線に出る事は無くなった。
そして巨人を全て討伐し、壁外調査自体行く事もなくなった。
「そりゃあ、今の若い子達は何で戦いもしない、実力もない私が兵士長なんだって思うよね」
あはは、とリリアは笑った。
しかしその表情は一瞬で変わる。
「誇りを持ってやってきた分、イェレナの言った言葉は私にとっては侮辱でしかない。悔しい…悔しい、悔しい」
リヴァイがそこで気付く。
昨夜の"悔しい"という言葉はこの事だ、と。
やはりイェレナの言った事をかなり気にしていたのだ。
するとリリアはイェレナに向かい笑顔を向ける。
「イェレナ、その目で見ているといいよ。私が名ばかりの兵士長かどうか」
リリアは首元に巻いているリボンを解きリヴァイの前まで歩むと、それをリヴァイに手渡した。
兵士長に昇格したら買って欲しいとリヴァイに駄々をこねて買ってもらったスカーフ、王政奪還時にボロボロになってしまい一度は買い替えた物だが、リヴァイが昇格祝いにと買ってリボンにして結んでくれた事が、人類最強と言われているリヴァイに認められた気がして嬉しかった。
だから今までこれをずっと宝物として身に付けてきた。
必要な時以外は外した事はない。
それをリヴァイに返したのだ。
「……おい?」
「私はまだ兵士長とは認められてなかったよ。努力がまだまだ足りなかったかな?」
リリアが身を翻すと、リヴァイが腕を掴んだ。
「行くんじゃねぇ。お前はここにいろ」
「大丈夫」
振り返るとリリアは満面の笑みをリヴァイに見せた。
「私、こう見えてすごく強いんです!」
目を見開いてリヴァイが手を離す。
今
リリアに
壁を作られた