第75章 #75 港へ
「コニー、アルミン、ミカサ、ジャン。昨夜の…私の態度を詫びたい。我々は…間違っていた。軽々しくも正義を語った事だ…この期に及んでまだ…自らを正当化しようと醜くも足掻いた。卑劣なマーレそのものである自分自身を直視する事を恐れたからだ」
皆がマガトを見つめる。
「君達に責任はない、同じ民族という理由で過去の罪を着せられる事は間違っている」
マガトは次にライナー、アニ、ピークを見やった。
「ピーク、アニ、ライナー、お前達も世界の憎しみを一身に背負ういわれは無い…だが…この…血に塗れた愚かな歴史を忘れる事なく後世に伝える責任はある。エレン・イェーガーは全てを消し去るつもりだ…それは許せない。愚かな行いから目を逸らし続ける限り地獄は終わらない」
そして再びアルミン達に向き直ると深々と頭を下げた。
「だから頼む…我々の愚かな行いに…今だけ目を瞑ってくれ」
ほんの少しだけ沈黙が続き、ゆっくりアルミンが声を発した。
「…断ります……手も汚さず正しくあろうとするなんて…」