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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第75章 #75 港へ



「俺達は人を助けるためにここにいるんだぞ!?なのに…まずやる事が島の連中の皆殺しかよ!!どうしてこうなるんだよ!?」
「お前達4人は戦わなくていい。ガビとファルコと一緒に安全な場所で見ててくれ。イェーガー派に見つかれば否が応でも選択を迫られるだろう。ただし…何も手出しするな」

どうやらコニー達はパラディ島の仲間達に手をかける事を躊躇っているようだ。
無理もない、今まで共に戦ってきた仲間だ。
すると崖から降りながらハンジが口を開いた。

「私は観客になる気はないよ。イェーガー派ならもう4人殺したことだし、ね…何より…人類にはもう時間が残されていない」

そして先程見えた巨人から、すでにマーレの北東の都市は壊滅しているだろうという事を告げると、皆の表情が一気に強張った。
ここで悩む時間もないのだ、巨人はどんどん進み、大陸を踏みならして行く。

「こんなに早く海を渡れるとは思わなかった…あれじゃ他の大陸もあっという間だ…既にどれだけの人々が殺されたことか…」

するとマガトがイェレナの前に立ち、口を押さえると押し倒し、左手を踏みつけ腕の骨を折った。

「ッーーー!!!」
「エレン・イェーガーの行き先を言え。言うまで腕の関節を増やし続ける」
「マガト!!」

「怖がらなくていい、殺しはしない」

イェレナは痛みに耐えながら涙を流し、口を開いた。

「それは良かった……気が変わった。この成り行きを見届けるまで死にたくない。私を連れて行けば…エレンの行き先を言うかも…しれない」
「飛行艇の確保が先だ」

ハンジがマガトの肩を掴み止める。
今は拷問している時間もない。
するとマガトはアルミン、コニー、ミカサ、ジャンの方を向いた。

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