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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第75章 #75 港へ



「リヴァイ?何?どうしたの?」
「それはこっちのセリフだ。どうした、気持ち悪いか?」
「いや、大丈夫」

そう言うとリリアはフイッと顔をそらし、遠くを見つめた。
まるであまりリヴァイを見たくないようだ。
やはり自分に何か不満があるのだろうか、イェレナとの一件でリリアの心が乱れているのは間違いない。
リヴァイは眉をひそめると再びリリアの手に力を込めた。

「ん?」
「無視すんな」
「してないよー」

苦笑いしながらリリアはリヴァイの前髪を払った。





「アズマビトは本当に頼れるのか?」
「頼るしかないでしょ」

マガトがハンジに尋ねる。
他に頼るものがないのだからアズマビトが力を貸してくれるよう祈るしかない。
すると先に港の様子を見に行っていたピークが戻ってくる姿が見えた。

「ん?車力が…」
「止めろ、何かあったようだ」

車力の巨人のうなじからピークが姿を現す。

「港が、イェーガー派に占拠されています。おそらくは機関車で先回りしたのでしょう。対巨人用装備の兵士が数多く戦闘態勢でした」

リリアは眉をひそめた。
やはりそう上手く行くわけがない。

「我々が地鳴らしを阻止しようとする動きを察知して迎え撃つつもりのようです」

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