• テキストサイズ

誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第75章 #75 港へ



すると後方からジャンが現れた。

「おはようございます」
「ジャン、おはよう!大丈夫?」

顔を覗き込みながらリリアが尋ねると、ジャンは苦笑いをしながらはい、と答えた。

「ならガビとファルコを起こしてきてもらってもいい?もうそろそろ出発だから」
「分かりました。ついでにライナーも起こしてきます」

お願いね、とリリアはジャンの腕をポンポンと叩いた。
自分に気を使ってくれている事を察したジャンは、リリアに向かって笑顔を向けると頷きガビとファルコの所へ足を運んだ。
ジャンはまだ眠っているガビとファルコの体を揺すり、起こした。

「起きろ。出発の時間だ」

起こしに来たのがジャンだったために、ガビは驚き目を見開いた。

「協力してくれるの?」
「あぁ、もちろん」

するとジャンは次にライナーの元に向かい、胸ぐらを掴んで揺すった。
ガビとファルコを起こした時の様な優しさは微塵もない。
驚きライナーの体がビクリと跳ねる。

「っ!!」
「オラ!!いつまで寝てんだライナー!怪我なんてとっくに治ってんだろうが!」

それを見ていたリリアがクスリと笑う。
するとガビとファルコがリリアの元へ近付いた。

「おはよう、ガビ、ファルコ」
「おはよう」
「おはようございます」
「顔を洗ったら出発するよ。後ろの荷馬車に乗ってね」

はい、と二人が頷いた。
全員が荷馬車に乗り込み、港へ向かうため森から離れた。
港まではたどり着けるとして、その後はどうなるのだろうか。
イェレナは依然エレンの行き先を言わない、そもそも簡単に飛行艇に乗る事が出来るのだろうか。
不安しかなくリリアはため息をついた。
それに加え、イェレナに言われた言葉が頭をグルグル駆け巡る。
あまりに俯いたままのリリアの手にリヴァイがそっと触れた。

/ 1007ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp