第75章 #75 港へ
朝になり、皆は出発の準備を始めた。
荷馬車に必要な物を乗せ確認をする。
ピークだけは港の様子を見るために先に出発していた。
「リヴァイ、手貸して」
まだ一人で歩けないリヴァイを荷馬車に乗せるためリリアがリヴァイの肩に手を回し立ち上がらせた。
ゆっくりと歩き荷馬車まで到着すると、リヴァイに手を着かせ腕の力で乗り上げるのに合わせてリリアがリヴァイの下半身を押し上げる。
「悪いな」
「………お尻ターッチ!!」
「………」
大臀筋をムギュと揉まれ、リヴァイが眉をひそめてゆっくり振り返ると、目をパチパチしながらリリアが手を上げ笑っていた。
「リヴァイのお尻硬いなー。筋肉尻」
「……お前な…」
「ぶっふ!!!」
それを見ていたコニーとハンジが噴き出し笑っている。
「リリア兵長!さすが……ぶっは!」
「いやぁ〜、リヴァイのお尻揉めるのはリリアしかいないね!そういえば昔、カードゲームの罰ゲームでリリアがエルヴィンの……いや、これは言ったらダメか」
「なんすか、それ!詳しく聞きたいっす!」
「お兄ちゃんのお尻も立派です!でもリヴァイの方が硬いです!!」
「……俺のケツの話はやめろ…」
「え?!エルヴィン団長のも揉んだんですか?!」
「妹の特権!」
「ぶっはっは!!」
ハンジが笑い、昨日までの暗い雰囲気がそこだけ吹き飛んだ。
アルミンも少し遠くから彼らを見てあはは、と笑っていた。
その隣でアニもジッと彼らを見つめている。
「本当に賑やかだね。リリア兵長があんな性格だとは思わなかった」
「親しみやすいでしょ?」
「アレはバカって言うんじゃない?」
「ア、アニ!!」
「…意外で面白いけど…」