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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第74章 #74 友の言葉



「マルコが巨人に食われるのを見ながら…俺は…何でマルコが巨人に食われてるんだって思った」
「えっ?」
「そして怒りに身を任せてその巨人を殺した。よくもマルコを…とか言いながら」
「…もういいって。罪悪感で頭がおかしくなっちまったんだろ?」
「許さないでくれ…俺は本当にどうしようもない…」
「もういいって」
「…すまない」

何度も何度もライナーが謝り、ジャンがもういいと答える。
しかしジャンは我慢をしていたのだろう。
突然ライナーに向かって行き殴り始めた。皆が慌ててジャンを止めようとするがジャンは止まらない。

「ジャン!!」
「あぁあぁあぁああぁ!!」

その時だ。
ガビがライナーを庇うために覆い被さり、ジャンの足がガビの横腹に当たった。
ようやくジャンが動きを止める。

「ガビ!!」

ファルコがガビに駆け寄り彼女を支え、リリアも慌ててガビに手を伸ばした。
ガビは蹴られた横腹を押さえながらジャンを見上げ口を開く。

「ごめんなさい…私達は…パラディ島のあなた達を…皆殺しにすることが…希望でした……世界から認めてもらい…許してもらうために、この島が…悪魔が消えてなくなることを願い続けてきました…」
「ガビ…」
「そしたら、お父さんやお母さんが…レベリオのみんなが消えてなくなる事になりました……ごめんなさい。すごく図々しいことは分かっていますが…皆さんの助けが必要です…どうか私達に力を貸して下さい!!」

ガビはジャンに向かって頭を下げた。

「お願いします!!地鳴らしを一緒に止めて下さい!!お願いします…お願いします!!」
「…放せ」

ジャンは押さえていたアルミンとコニーの手を振り解くと、一人森の奥へと入っていった。

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