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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第74章 #74 友の言葉



「ぷはー、美味しいですハンジさん。おかわりありますか?」
「あぁ、まだまだあるよ」

器を受け取ったハンジはおかわりのシチューを器に入れる。
その間にジャンはイェレナに喋りかけた。

「ありがとうイェレナ。お互いの蟠りをここで打ち明けて心を整理させようとしてくれてるんだよな?お前も大事な仲間の頭を撃ちまくってまで叶えたかった幻想的な夢がすべて無意味に終わって死にたがってたのに…気を遣わせちまったな」

ジャンの言葉にイェレナはつまらなそうな顔をする。

「あー忘れてた。何でしたっけ?以前教えてもらったあなたの親友の名前は…そうだ…マルコだ。確か…彼の死にアニが関わっていると言っていましたよね?もうアニから聞いたんですか?マルコの死の真相を」

リリアはジャンを見た。
マルコ・ボット、話した事はないが104期でジャン達の同期、訓練兵の時にトロスト区での戦いにて巨人に食われたと報告書で見た記憶がある。
ジャンが調査兵団に入った動機も彼にあるという話は聞いていた。
するとアニがジャンに事の真相を話し始めた。

「私がマルコから立体機動装置を取り上げた。だからマルコは巨人に食われた」
「アニは俺の命令に従っただけだ」

ライナーがアニに続ける。
どうやらマルコはライナーとベルトルトの聞かれてはいけない会話を耳にしたらしく、正体がバレる事を恐れたライナーは、マルコが巨人に殺されれば上手く口封じ出来ると思ったようだ。
空中でマルコを屋根に叩きつけ動けないよう押さえつけている間にアニに立体機動装置を外させ、その場から動けないマルコは背後から来た巨人に食われた、と。


「マルコは…最後に何か言ってなかったか?」

ジャンの問いにライナーが答える。

「『俺達はまだ話し合ってない』…って」
「そうだ、そうだよ…!!俺達はロクに話し合ってない。だからどっちかが死ぬまで殺し合うみてぇなことになっちまったんじゃねぇのか?もし…最初から話し合っていれば…ここまでの殺し合いには…」

「…今からでも遅くないよ。これだけ鎬を削り殺し合った者同士が少なくとも…今は殺し合わずに言葉を交わしてる。誰が想像出来ただろうか。私達が火を囲んで食事するなんて」

ね、とハンジがリリアを見ると、リリアはニコッと柔らかく笑い返した。
しかしライナーは続ける。


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