第74章 #74 友の言葉
「私はリリアがどれだけ努力して兵士長になったのかを知っている、普通じゃ投げ出してしまうようなツライ訓練もこなしていた、あのリヴァイにどんなに罵倒されても諦めなかった!裏で泣いていたのも知っている、でも彼女は努力したんだ!!誰よりも!!誰よりもね!!」
「……ハンジ」
「兄の七光りなんかじゃない!リリアが兵士長になれたのは彼女の努力の賜物だ!!今の若者達が知らないだけで私やリヴァイはリリアの実力を知っているんだ!!それを…そんな風に言われたら腹が立つだろ!!」
「彼女が努力家なのは認めますよ。だけどあなた方もそう思ったんじゃないですか?どうして人類最強と呼ばれるリヴァイ兵長と、こんなひ弱なそうな彼女が同等の階級なのか」
イェレナはアルミンやミカサ、コニーとジャンを見渡した。
「だからそれは…!」
「上の者に体でも売ったんじゃないかって言われてましたよ。兄の為なら何でもする子なんでしょ?可愛い顔して案外やる事は下衆ですね。あのリヴァイ兵長に好かれているのも色目を使ったんじゃないです?汚らわしい」
「いい加減にしろよっ?!っざけんな!!何も知らないクセに!!!」
歯を食いしばり怒ったハンジが立ち上がろうとしたがリリアが腕を引っ張り止めた。
二人の関係性を昔から見ていたハンジにとってイェレナの言葉はかなり腹の立つものだ。
するとアルミンが口を開く。
「思っていませんよ。僕達はリリア兵長が兵士長に相応しい戦力を持っていると知ってますから」
「そりゃあ、リヴァイ兵長と比べたら力の差はあるけどさ、俺達と比べたら天と地だよな!それにリリア兵長に惚れてるのはリヴァイ兵長の方からだし!」
コニーもアルミンに続けた。
「私も……技術面ではまだまだリリア兵長には敵わない。あと…二人の関係はとても温かいもの。悪く言われるのは腹が立つ」
「ミカサ…」
「良かったなイェレナ、リヴァイ兵長が起きてたら今頃お前の首ないかもしれねぇぞ?」
いまだ眠っているリヴァイを見ながらコニーは苦笑いをした。
しかしイェレナは鼻で笑い返す。
するとジャンがシチューを全て食べ終え、ハンジに器を差し出した。